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2015年 第14回LSTR療法学会 学術大会 
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メインテーマ:「もう一度 免疫」

〔教育講演〕

「咬合治療」のプロトコール

宮城県  宅重 豊彦

はじめに


 咬合調整といえば、歯科治療の基本術式の一つで、誰もが日常茶飯事に施術している。一方では、咬合病と言われる疾患があり、咬合病と言われながらも咬合の改善治療で治せていないのも現実である。
 「誰もがやってる咬合調整、誰もができない咬合調整」と言える。  咬合治療の主役は、咬合調整である。スプリント療法や歯列矯正は、咬合調整 の代替治療のようなものと思っている。咬合に問題があるのなら、咬合を調整して 症状を消失させる。それが、本質をついた根本治療で有り、迅速な治療である。
  しかし、「誰もがやってる咬合調整、誰もができない咬合調整」が現実である。  咬合調整が難しい理由は、どこをどのくらい削ればいいのか診断できないからで ある。咬合調整で削るポイントと削る量が分かれば、歯科医なら誰でもできる。 どこをどれくらい削ればいいのかを診断するには、必要十分な検査をおこない、正しい検査結果を出し、得られた結果を総合的に“読む”ことである。
 昨年は、歯髄疾患の初期症状とされる知覚過敏をテーマとし、その検査票を 示した。順序からすると今年のテーマは歯髄炎であるが、咬合治療の要望が多かっ たので咬合調整systemとして反射咬合誘導法(タクシゲ療法)の検査票を示すこと にした。
  本検査票には咬合診断に必要な検査項目が記載されている。検査項目は、咬頭嵌合位での上下歯の接触状態(噛み合わせ)、誘導咬合位での歯の接触状態、立位と水平位での姿勢となっている。歯の接触状態と姿勢とは密接な連携があるので、咬合紙と姿勢を見て、削るべき点を決める。同じく、検査結果を総合的に分析することによって 削る量を割り出す。
  検査票1枚で、咬合治療の全てを解決できるわけではないが、3Mix-MP法施術後の不快 症状の解消には有効である。更に、咬合病の治療に自信をもてるようになってほしい と願っている。
 演者は、反射咬合誘導法を修得することで、歯科医師の新たな世界が広がると考え ている。そうした事例を紹介できることを望んでいる。

 


 
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