目的:
小児で脱落した歯牙は殆ど前歯部の根未完成歯である。交通事故やスポーツによる歯牙完全脱臼は珍しくなく、その殆どが前歯部のため両親は再植を強く希望される。
脱落した歯牙では、歯に付着した歯根膜細胞の保存や無菌化が予後に影響することから、10年前より3Mix-MP法を用いている。この結果を症例毎に学会発表や雑誌に投稿してきた。今回,2018年度の症例を併せて過去の症例の予後についてご報告する。
考察:
小児で脱落した歯牙は殆ど前歯部の根未完成歯である。隣在歯にも外力による動揺なども同時に現れる。来院時に持参された歯牙は直ちに歯牙保存液に入れた。
その後、歯根膜細胞の変性に異常のない場合には、3Mix-MP法による無菌化後再植術を行った。再植症例初期では、再植後の歯牙の動揺と歯牙脱落移動防止の為としてSuperbondやTwist
wireを用いた。症例を重ねるごとに、接着剤の封入を歯牙から、歯肉部分にも広げ、細菌汚染や上皮迷入を防ぎ、また、歯牙の動揺と挺出を防ぐためにワイヤー固定から舌側固定,リテーナー併用へと進化し、良好な結果が得ら
れた。
『宅重式移植術の特徴』に沿って、再植をやりました。