2011年 第10回LSTR療法学会 学術大会 
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口頭発表5 即座に診断をつけられなかった咬合痛の一症例 

○五十嵐 祐(山形県)

 

 目 的:

 

 

良いデンタルエックス線写真と咬頭ごとのバイトチェック法、さらにバイオフィードバック 法がそなわっていれば、すべての痛みの診断ができると思っていた。 ところがそうでもないことに気づきましたので、症例報告いたします。
症 例:

38歳男性 調剤薬局社員 1日20本の喫煙
初診時に ; みぎ上6 自発痛および咬合痛        
みぎ下6 自発痛           を訴えて来院。  

みぎ上6は、前医で知覚過敏の治療を受けていた(2か月まえ)。1か月まえから上下2歯 とも自発痛がひどくなり、自己処方した消炎鎮痛剤カロナールを1日に数回内服していた。 1週間まえよりカロナール奏効しなくなり、強いロキソニンに変更している。

 

診 査:

デンタル像では、みぎ上6のMBとDBに歯根吸収あるいは短縮像を示し、MB根尖部には歯根 膜の拡大をみる。上下2歯とも適合のよいMODインレーが装着されており、2次カリエスと わかる像はみられない。 歯髄腔は、年齢の割にかなり狭い。  みぎ上6の頬側につよいエアー痛があるが、みぎ下6は症状なし。  上下2歯ともフレミタスなし。ただ、痛いかどうかの試し噛みをしょっちゅうしている。  割り箸をつかった咬頭ごとのバイトチェック法では、みぎ上6のMBとDBに痛みが誘発される。  ユニット水平位では右足のかかとの位置が長く、バイオフィードバック法では「奥歯が当た るようです」。すこし経って「みぎ下がうずいてきました。がまんできません」。  結果的に、インレーを除去するまで診断が得られなかった。 

 

 

 

 

 

 
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