抄 録:52歳 女性
主訴:C5E MTにより、1年前Bridgeいれるが冷温刺激と咬合痛があり咬めない。
現症:4 は失活歯、打診痛(-)
6 は生活歯、深部まで覆髄剤が入った4/5CK支台
冷温診(+) 打診痛(+)
Bridgeの適合、咬合及び周囲軟組織に問題なし。
治療内容:
通法により古い覆髄剤を無麻酔にてできる限り除去し、3Mixにて覆髄、
TEKにて経過をみる。1週間後ではあまり変化無く、仮着剤に3Mixのパ
ウダーを混入して、もう1週間様子をみるが変化なし。
そこで4/5支台の生活歯の場合、咬合面の形成部との境目からの刺激の
可能性を考え、麻酔下でFCK支台の形成をし、再覆髄し、TEKにて1週
間経過をみる。すると、冷温痛はかなり消失、打診痛は多少あるものの、
こちら側で咬めるようになる。
印象し1週間後にFCK支台のBridgeを仮着、経過をみて接着セメントに
て装着。
3ヶ月後の現在は良好な状態
考 察:今回Bridgeの支台歯の歯髄炎、特にインレーや4/5冠支台に対して、
通法によって3Mix覆髄しても効果が現われない場合、その痛みの原因が
咬合面の金属と健全歯質の境界から生じるゆがみやセメントの崩壊による
隙間から刺激が加わり歯髄炎を起こしていると考え、麻酔下にて古い覆髄剤
の完全除去とFCKにすることで症状が消失したと思われます。52歳とい
う年齢から歯の摩耗もあり、歯質削合にはためらいましたが、すぐにTEK
を入れ3Mixにて覆髄が効を奏したと考えます。
当初、抜髄も考えましたがなるべく大臼歯の抜髄は避けたいものです。
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