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ポスター発表
病院歯科における3Mix‐MP法の効用
中原寛子

 

目的:

 宮城病院歯科では、病院他科に入院・通院している患者の割合が高く、高齢、寝たきり、レスピレーター装着、多剤服用、車椅子使用、血液・内蔵疾患などにより、歯科治療に多くの制約を受ける。しかし3Mix‐MP法を応用することによって、そのような多くの制約を受けながらも、より多くの患者が恩恵を受けられるようになった。その例をいくつか紹介する。

 

症例1:

 レスピレーター使用により、外来受診不可の60歳の女性。進行性の神経難病により、体力の回復を待って受診するということが期待できない。左上中切歯の根尖相当部に膿瘍形成し、往診の依頼が来た。同歯には、ポスト・コアと前装冠が装着されていた。痛みは無く、ポケットからも排膿しているように見えたが、ポケットと膿瘍は交通していなかった。状況から、再根治、再補 綴、外科的手技は不可てあった。抗生剤の処方によって一時的に膿瘍が消失する可能性はあっても、 いずれ膿瘍が再発し、早晩、抜歯となるものと思われた。しかし患者は審美性の問題から、なるべ く抜歯はしたくないと懇額していた。そこでボータブルユニットをベッドサイドに持参し、5倍速 エンジン・バーを利用して、前装冠の唇面よりホスト尖端めがけて孔を形成し、12%EDTAと次正塩素酸にて処理後、3Mix‐MPを貼薬し、フジナインにて封鎖した。 1週間後に確認すると、 膿瘍は消失し、ポケットもきれいになっていた。

 

症例2:

 自閉症の13歳の男児。いつもは母親に歯ブラシをさせるが、数日前から嫌がるようにな り、他にも歯が痛いのではないかと思わせる様子が見られたとのことで、検査と処置を希望して来 院された。しかし理解能力が3歳児相当で、体重は94k gもあり、恐怖感が強く、何としても口 腔内を観察することは困難てあった。後日、他科医師の協力で静脈内麻酔を試みるが、それも効果 が少なく、数本の2度以上の齲蝕があることを確認できたのみで、治療のためにターピンを歯に当 てた途端に覚醒し、それ以上の処置は出来なかった。更に日を改めて全身麻酔を施行し、一気に7 本の歯を処置したが、そのうちの3本は 齲蝕が深く、通法に従えば抜髄の可能性があった。しかし 齲蝕を極力削らずに3Mix‐MPを貼薬し、フジナインて封鎖して窩洞形成し、直接レジン・インレ 一を作って装着することで、治療を1回で済ませることが出来た。

 

症例3:

 神経難病であるが、車いすで歯科受診可能な61歳の男性左上側l切歯・犬歯を10日前 に抜歯し、その後、同部は問題なく治癒に向かっているように思われたが、10日後の再来日に同 部の痛みを訴え、しまりのない軟組織で抜歯窩が満たされてはいたが、エアを強く吹き付けると抜 歯窩底部まで穴が交通している様子が認められた。通常であれば局所麻酔をして同部を掻爬し、 抗生剤の処方をおこなうところであるが、抜歯後、脳に埋め込んだ、電極の周囲が炎症を起こし、熱 発して全身状態が低下していたところからやっと回復したばかりであること、神経難病のために既 に多くの薬を服用していることなどから、身体に負担となりそうな外科処置や全身的な投薬を避け たかったため、NIETキャリアにて穴の中に3Mix-MPを貼薬するだけにしたところ、翌日には痛 みが無くなり、3日後には側切歯の穴が消失し、l週間後には犬歯の穴も塞がった。

 

結論  3Mix‐MP法は局所的・内科的治療法であるため身体的負担が小さく、身体的制約の多い者患を診なければならない病院歯科において有用性の高い治療法である。

 

 

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