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   第6回LSTR療法学会 2007年度学術大会 2007年9月16日
ポスター 11
歯根破折が疑われる歯にNIETで対処した症例
○牧 和宏(CDRG 牧歯科医院)
     
目 的

 

患者 41歳 女性
主訴 L34 のあたりの歯茎が赤く硬い感じ。1ヶ月前から触ると痛い。
現症

・口腔内所見
L4 の根尖部に赤色の硬結を認める。
7」 の頬側にfistulaを認める。

・X線所見
L4 に破折歯に特有の歯根膜腔の拡大像が観られる。 7」 の根尖近心部に透過像が観られる。  

診断 歯根破折の可能性がある慢性根尖性歯周炎
処置 H18.9.20 (初診時) L4 メタルコア除去、3Mix-MP貼薬
9.22 NIET終了、メタルコア印象
9.28 メタルコアset、Tek
10.6 FCK印象
10.13 FCKset
10.17 7」 メタルコア除去、3Mix-MP貼薬
10.19 NIET終了、メタルコア印象
10.25 メタルコアset、 FCK印象
11.2 FCKset
H19.3.14  7」 経過観察
7.5 L4 7」 経過観察

 

考 察
 破折歯には、口内法であれ口外法であれ、破折そのものに対する処置が必要となる。しかし、破折が疑われるものの、破折線が口腔内所見およびX線所見でも明瞭に確認できず、破折処置に躊躇する場合がある。今回はそういったケースの一例である。

 破折に対する処置は一切せず、NIETのみを施した。NIETによる歯の無菌化が生体の治癒機転を促進し、破折や亀裂等が体内で自然に石灰化するのを期待して、現在経過を観察中である。

 約9ヶ月後の経過観察では、口腔内所見、臨床症状ともに特に異常はみられない。 
 X線所見では透過像の縮小が観られるものの完治とはいいがたい。もちろん、術後の経過時間が短いので今後の経過観察が大切であるのは言うまでもない。   
 

 

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