当院で歯髄炎治療に3Mix-MP法を取り入れたのは1999年、今から10年前のことである。振り返ると、その術式は従来法の延長線上に3Mix-MPという薬剤の貼薬をただ加えただけの当初のやり方から、長い歳月を経て徐々に変遷し、数年前からようやく3Mix-MP法独自のやり方に移行しつつある。
3Mix-MP法の歯髄炎治療では「生活歯髄は残す」という大原則があり、そのため従来法の抜髄という概念はないが、生活歯髄への3Mix-MP法の対応の難しさから、いまなお抜髄に準じた処置を余儀なくされている症例も少なくない。当院では。従来法の抜髄症例に対しては浸潤麻酔下に高位断髄を実施し、根充は根尖から2〜3ミリアンダーの位置を目標としたスペース根充をに行っている。今回、当院における歯髄炎治療(高位断髄症例)の術式の変遷とそれにより根尖の治癒形態、治療成績ほかがどう推移したかについて述べる。
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