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Home > 学術大会・総会 > 第8回LSTR療法学会 > 当院における歯髄炎治療(高位断髄症例)の術式の変遷と治療成績

   第8回LSTR療法学会 2009年度学術大会 2009年9月20日

当院における歯髄炎治療(高位断髄症例)の術式の変遷と治療成績

戸 勝之
目的

 当院で歯髄炎治療に3Mix-MP法を取り入れたのは1999年、今から10年前のことである。振り返ると、その術式は従来法の延長線上に3Mix-MPという薬剤の貼薬をただ加えただけの当初のやり方から、長い歳月を経て徐々に変遷し、数年前からようやく3Mix-MP法独自のやり方に移行しつつある。 3Mix-MP法の歯髄炎治療では「生活歯髄は残す」という大原則があり、そのため従来法の抜髄という概念はないが、生活歯髄への3Mix-MP法の対応の難しさから、いまなお抜髄に準じた処置を余儀なくされている症例も少なくない。当院では。従来法の抜髄症例に対しては浸潤麻酔下に高位断髄を実施し、根充は根尖から2〜3ミリアンダーの位置を目標としたスペース根充をに行っている。今回、当院における歯髄炎治療(高位断髄症例)の術式の変遷とそれにより根尖の治癒形態、治療成績ほかがどう推移したかについて述べる。

 

方法

当医院で2000年5月4日〜2008年2月18日までに歯髄炎の診断にて高位断髄処置を行い、根充後1年以上経過観察できた単根管歯45本について、実施時期を2000〜2002年、2003〜2005年、2006〜2008年の3期に分け、ペリオドン使用の有無、根充までの回数、根充位置、根管の閉鎖状況、治療成績などについて比較検討した。

 

結果と考察
1、根充までの回数は徐々に減少し、ここ2年間では平均2.2回であった。

2、歯根膜腔の拡大など術直後より悪化した症例は45例中4例(8.8%)に見られたが、ここ3年間でみると1例もなかった。

3、根充位置については、当初からレントゲン上で突き出す症例はまったくなかったが、次第にアンダー根充が徹底されるようになり、ここ3年間でみると、2ミリアンダー(スペース根充)が全体の7割を占めるまでになった。

4、レントゲン上で根尖から2ミリ以上アンダー根充症例における根管の硬組織による封鎖率は48%であった。

 

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