2011年 第10回LSTR療法学会 学術大会 
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口頭発表11
 歯髄保護を考慮した有髄歯の支台歯形成における一工夫

○安藤正明 宅重豊彦
(宮城県) 

 

 目 的:

 

 

う蝕の有る有髄歯の支台歯形成の際に,う蝕象牙質を除去するとアンダーカットにな ったり,歯髄に近づいて損傷したり危険が多い.う蝕象牙質の再石灰化が可能であれば非常に有利である.そこで,残置したう蝕象牙質を無菌化した後,どの様に変化したかを調べた.
方 法:

 メタルインレーやクラウンを装着後,自然脱離した症例について,KaVo社製DIAGNOdentを応用して,残置したう蝕象牙質の歯面状態を観察した.この器械は歯面に当てたレーザー光の反射を解析し,歯面の状態を0〜99の数値で表示する装置である.   その数値を見ると,施術前の軟化したう蝕象牙質は最大の99を示し,健全な象牙質はおおよそ0〜5を示す.施術時残置したう蝕象牙質の値は99であったが,歯冠修復物が脱離した時点でどの様に変化したかを測定した.

 

結果と考察:

 無菌化した症例では,術前99だったものが装着期間が長くなると測定値が小さくなる傾向が見られた.
  無菌化しなかった症例では,術前可及的にう蝕象牙質を除去してから修復したが測定値は大きくなる傾向が見られた.無菌化後のう蝕象牙質再石灰化の状態が,KaVo社製DIAGNOdentによる測定により推測された.
  従って,無菌化したう蝕象牙質を残すことが可能であるので,歯髄を保護することができ有髄歯の支台歯形成にとって非常に有利である.

 

 

 

 

 

 
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