2011年 第10回LSTR療法学会 学術大会 
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口頭発表9
 MPの浸透性実験第5報

畑岡拓 牧和宏 鈴木章 大平眞悦 安藤正明 宅重豊彦
(宮城県)

 目 的:

 

 

LSTR 3Mix-MP療法における病巣の無菌化は、MPの浸透力に大きく左右される。
今回は、同じ条件下での浸透性の差を検証する為に、 ノーマルのMP(=コントロール)と4種類のMP(仮称:S1,S2,S3,S4) の浸透性実験を行った。
   (尚、コントロールは、MとPを体積比1:1.2で混合して作製し、
       S1,S2,S3,S4は、中の成分を変えて4つの試料を作製した。)

   具体的には、
 (1) どのMPが一番浸透性が良いか?
 (2) どこまで浸透するか?(浸透力の違い)
   (尚、象牙細管内を通って、根尖セメント質に到達したものだけを対象とし、
      根尖孔から一端外に出てから根尖セメント質に到達したものは除いた)
         などを検証し、臨床応用への可能性を探った。

 

方 法:

@被験歯:抜歯直後から湿度100%下で保管した犬歯、小臼歯をコントロールと各MPに対して 2本ずつ用意し、歯根表面をWaxでコーテイング


A被験歯の処理、実験方法:

(1) 貼薬着座の形成
(2) 歯面処理
12%EDTA 60秒?エアスケーラー(非注水30秒+注水30秒)
→10%NaClO 60秒?エアスケーラー(非注水30秒+注水30秒) 
(3) 色素とMPを標準調度に練和(色素は、食紅とメチレンブルーを使用)
(4) 着座底面にブローチを使用して貼薬
(5) 綿球で圧接
(6) 綿球を中空にいれて、キャビトンで仮封
(7) 湿度100%下で保管、48時間後に切断分割
(8) 観察:実体顕微鏡(100倍)で写真撮影した根尖1/3 の拡大像から
      横方向への浸透性をみて比較検討した。
結果と考察:
@ MPの組成によって、明らかに浸透性が異なる。
A ノーマルのMP(コントロール)は根尖口までは浸透するが、セメント質までは浸透しない。
B 頬側方向への浸透性が、舌側方向よりも大きい傾向がある。
C 近心方向への浸透性が、遠心方向よりも大きい傾向がある。 
D S1が最も浸透性が優れていた.M-NIET,歯周病治療への応用が期待される。
E メチレンブルーを使用した試料は、色がよく見えなかった。

 

 
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