2011年 第10回LSTR療法学会 学術大会 
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口頭発表6 
垂直的歯根破折歯を3Mix−MP法により保存した2症例

坂田 純一
(北海道伊達市)

 

 目 的:

 

 

 歯牙が垂直的歯根破折を起こしている場合、歯根破折部分に感染は起こると保存不可能と  なるケースが多い。歯根破折した部位においては免疫が働かないため、細菌増殖がおこり  感染源となり慢性炎症が起こるためと思われる。   また、歯根破折部位を口腔内で接着を試みても、湿潤し破折部が汚染された状態では、  完全な接着が困難ケースも見られる。   今回の方法は、「宅重式再植再建術」に一工夫加え、3Mix−MPとレジンコア(クリ  アフィル・コア(クラレメディカル株式会社))を使用し、破折歯を抜去し口腔外で接着後  に再殖し固定するという術式で2症例を行い、良好な結果が得られたので報告する。

 

方 法:

@臨床所見及びレントゲン所見で垂直破折歯と診断
  A固定用補綴物を製作(輪状連結鉤あるいは連結冠)
  B垂直的歯根破折歯を抜歯
  C歯根内面に接着のための維持溝形成及び貼薬着座の形成
  DEDTA及びNaOClによる接着面及び貼薬着座の清掃
  E貼薬着座へ3Mix−MP貼薬
  Fクリアフィル・コアで破折歯を接着及びレジンコア築造
  G固定用補綴物と破折歯を接着
  H破折歯と一体化した固定用補綴物を口腔内に合着
  I術後、超音波スケーラー等で上皮の迷入を阻止する。
   固定後、6カ月は維持するように管理する。

 

結果と考察:

 2症例とも再殖から6カ月経過後に固定用補綴物を除去し、最終補綴物装着し特に良好に経過している。
 理想的には歯根膜感覚の回復を待って最終補綴物すべきであるが、真に回復しているか否か疑問は残る。
 再殖歯の場合、生存年数は一つの成否の目安となると思われる。
 今後も定期的に経過観察し、予後を見守りたい。

 

 

 

 

 

 
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