2011年 第10回LSTR療法学会 学術大会 
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口頭発表4 
歯根嚢胞が疑われる大きな病変に3Mix-MP法を1回適用で、予後良好な症例

寺西信吾
(愛知県)

 目 的:

 

 

歯根嚢胞様の治療は従来法では排膿などによる手技の難度に加えて、大きな 病巣では、抜歯となることが多い。LSTR 療法3Mix-MP 法においても、宅重先生 ご考案のガーゼドレイン法の様な良好な結果も報告されているが、治癒までに 少々期間を要している。今回、3Mix-MP 法(詳細は発表時)により適用1 回で、 予後良好な結果が得られたので治療後1年間の経過をあわせて報告する。
処置及び 経過:

患者 :
30 歳 男性

主訴:
来院数ヶ月前より左下6 番に違和感並びに食事中の痛みを訴えた。 疼痛を伴う発熱時には、市販の鎮痛剤を服用して対処していた。 数院の転院を繰り返し他院(口腔外科病院を含む)に抜歯宣告を受け、 当院に来院

処置:
左下6 番に親指大の、嚢胞様のX-ray 透過像が認められた。 左下7 番にも小さな透過像がみられた。 左下6 番を、NIET法(詳細は、発表時)で、1ヶ月半後には嚢胞の縮小、 根尖部の圧痛のないことを確認し、2ヶ月後には左下6 番に最終補綴処置。

 

結果と考察:

NIET法適用後数日で左下6 番の疼痛及び違和感が消失した。来院時に左下6番、 にみられた根尖部を含む類円形の輪郭明瞭な大小のX-ray 透過像は根分岐部に まで及んだが、1ヶ月半後には明らかに縮小し、拡大していた歯根膜腔の縮小も 認められた。
  2ヶ月後にFCK 装着、その後の処置は行っていない。4ヶ月半後の検診では、 根分岐部の石灰化(骨再生)も認められた。LSTR療法3Mix-MP 法は、歯根膿疱 の速やかな治癒に有効と考えられる。 従来法はもとより、LSTR 療法3Mix-MP 法による歯根嚢胞様病変への治療におい ても、根管からの浸出液により充分な治療効果を得るためには長期間の適用が避 けられない。
  そのため根尖部圧痛その他消失までに期間が必要と報告されている。 今回の3Mix-MP 法では、恵まれた条件が奏功することにより1回処置後数日で 疼痛及び違和感が消失し、2ヶ月半後の短期間に最終補綴処置に至った。
 その詳細については発表時に、ご紹介致します。             

 

 
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