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2.  う蝕病巣と組織修復 
子田 晃一

 G. V. Blackの時代よりう蝕歯の修復にあたっては、感染歯質を徹底的に削除することが原則とされてきた。また、感染した歯髄を保存することは極めて困難であり、感染が疑われる場合や感染歯質除去中に露髄した場合には、断髄あるいは抜髄することが一般的であった。
 我々は、極めて厳密な嫌気グローブボックスを使用してう蝕象牙質、感染歯髄等の口腔内病巣より採取した細菌について検索し、こうした病巣中の細菌はこれまで報告されていたとは大きく異なり、ほとんどが偏性嫌気性菌である事を報告した。そこで、我々はこの圧倒的多数の偏性嫌気性菌に対して、特異的に効果のある薬剤について検討し、メトロニダゾール (metronidazole)が極めて有効であることを見出した。また、メトロニダゾールは、生体組織に対する為害性がほとんどないため、この薬剤を齲窩あるいは歯髄内に存在する細菌に対する消毒剤として使用しようと考え、ボランティアの学童の深在う蝕に用いたところ、臨床的にも細菌学的にも優れた成績を得ることができた。さらに、メトロニダゾールや、抗菌効果をさらに高 めるために他の抗菌薬剤を混合し、動物実験や臨床試験による感染歯髄への応用を試み、歯髄組織の無菌化が歯髄の修復に極めて有効であることを見出
した。
 今回はこうした我々の研究グループにおける一連の研究についてお話する予定である。

 

 

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