発表内容:
(目的)
およそ15年前、私達は、当時新潟大学歯学部口腔細菌学教室の星野教授等が発表した3Mixに出会った。それ以来、3Mixを臨床に応用してきた。振り返れば、当初は錠剤を粉砕し、3剤と蒸留水を混ぜてペーストとし、茶瓶に保管していた。当然ながら1週間ほどで「薬の切れ味が悪くなった」ことを思い出します。
しかし、その時の3Mixの治療効果は感動ものであったが故に、今日まで3Mixの臨床応用法の開発と普及活動をやってこれたと思っている。臨床応用の第一歩は、岐阜大学の上野一恵教授の「抗生物質を混合して使うのはもってのほか」という3Mixとは真っ向から矛盾する一言がヒントになった。3Mixの粉末にすると非常に変質しやすくなる点、何かと混合すると化学反応を起こしやすい点、光や水という身近な物によって変質する点を克服するための試行錯誤がはじまった。
@ カプセルの殻、糖衣錠の糖衣など、不純物となるものを除去する。
それは同時に薬剤のシールドを除くことになるので、保管する容器を厳密にした。
厳密な条件の保管容器は、粉末の薬剤を光や水分からも十分保護できた。
A 使用直前に3剤を混合することが絶対原則であった。
混合物をペースト状にすることも絶対原則であった。
B基材には、ペースト状にする事と、薬剤を変質させない事が求められた。
(結果)
1)基材には皮膚科の軟膏基材をベースにすることにした。
2)保管容器には、完全遮光性、密封性、非通気性の構造をもたせ、10℃での保
管を理想とした。
3)3剤の混合操作を一定のものとするマニュアルを作成した。
この度にテーブルクリニックでは、三剤の粉末時の注意事項、基材の取り扱い、混合時の注意事項、と3Mix-MP法の最も基本となる部分を展示したい。
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