(目的)
歯髄、根管に感染が起こりやすい乳歯の歯内療法の予後は必ずしも良好ではない事は、多くの臨床家の実感しているところである。特に生理的歯根吸収期の歯内療法は禁忌と禁忌とされ、抜歯し保隙装置をいれることが多い。乳歯が健全に保存されその機能を果たす重要性は言うまでもない。Metronidazole、MinocyclineとCiprofloxacinを混合した「3Mix」が、乳歯の感染根管病巣部の細菌に有効であり、また、「3Mix」をマクロゴール(M)とプロピレングリコール(P)で軟膏状に調薬した「3Mix-MP」によるヒト永久歯の感染根管治療の臨床成績が極めて良好であったことから、生理的歯根吸収期を含む乳歯の感染根管治療に、病巣無菌化組織修復(LSTR)療法として、3Mix-MP
法を応用した結果、良好な成績を得られた。
この度は、乳歯感染根管治療の治療成績を示し、実際の治療術式をテーブルクリニックの形で示す。
(術式)
本人および保護者への十分な説明と了承を得て、髄腔への開拡、必要に応じて壊死歯髄の除去後、根管開口部に形成した貼薬着座に新鮮に調薬した3Mix-MP を貼薬した。グラスアイオノマーセメントで裏層し、密閉のために直接法CRインレーを接着装着し、殆どの症例で1回で治療を終了した
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