発表内容:
(症例1) 三○キ○子さん 初診時69歳
主 訴:H15/3/28 右下54番クラウン脱離で来院
現 症:X線デンタル写真で根尖部透過像と右下第二小臼歯由来のフィステルを認めた。
処 置:歯肉側肉を除去し右下54番に3Mix-MP を用いた感染根管治療をおこない、キャビトンで確実にシールした。
経 過:翌4月、フィステルは閉鎖しなかったため右下5番の抜歯を決定。抜歯し
たところ、根尖部に黒色の歯石状のバイオフィルムを認めた。同時に根尖
相当部から歯根肉芽腫と思われる病巣をソウハした。
(症例2) 青○美○子さん 初診時72歳
主 訴:H14/2/19 右上臼歯部の違和感で来院
経 過:
@右上第二大臼歯の歯髄炎と診断した(同第二小臼歯の根尖性歯周炎は診断で
きていなかった)。3月から6月までのべ9回にわたって根治→根充→再根
治→再根充がおこなわれたが奏効せず、うっかり咬合するとズキッとした痛
みが起こる。
A7月に右上第二小臼歯根尖部付近の圧痛が発現、翌3月まで3Mix-MPを用
いた感染根管治療を4回おこなうが、フィステルは消失せず抜歯となった。
根尖部には黒色の歯石状のバイオフィルムを認めた。同時に歯冠大の嚢胞を
摘出した。抜歯により右上第二小臼歯部の症状はなくなったが、右上第二大
臼歯の症状はまだ残っていたため、6月に意図的抜歯をおこなったところ、
頬側根尖部に同様のバイオフィルムを認めた。明視下に歯根端切除と逆根充
をおこない、再植した。8月1日時点で自覚症状が改善している。
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