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   第2回LSTR療法学会 学術大会 (2003年9月14日)
ポスター発表
演 題:覆髄材として使用した充填用グラスアイオノマーセメントの効用
氏 名: ○ 安藤正明  宅重豊彦

発表内容:
 Save Pulp療法は、軟化象牙質を再硬化させることにより歯髄を保護する治療法です。本法を成功させるには、患歯の無菌化と細菌の再侵入防止が必須と考えられ、軟化象牙質の無菌化には3Mix-MPを使います。細菌の再侵入防止とは、辺縁漏洩の無い歯冠修復を意味します。
 私達は、術中術後をとおして細菌の侵入を防ぐには、CRインレー直接法が最も有効な手段であるとしてきました。しかし、CRインレー直接法には、耐用年数が2?3年短いこと、作業行程が複雑なためチェアータイムが長くなる事、術式が難しい等の問題点があります。その為に、Save Pulp療法そのものを臨床家が敬遠し、本法で救済できる歯髄は抜髄されているのが現状と思われます。
 一方、長期間辺縁封鎖を確保できる修復法としてメタルインレー法が広く行われています。しかし、メタルインレー法では、印象採得からインレー装着までの間が危険期間となり、この間に細菌が侵入する可能性が大きいことからSave Pulp療法に使用することはできませんでした。もしも、この危険期間の細菌の侵入を防ぐ方法があれば、メタルインレーによる修復が可能となり、Save Pulp療法の治療術式はスタンダートとなり、多くの歯髄が抜髄から救われることになります。
 生体親和性と強い接着力をもった充填用高強度グラスアイオノマーセメント「Fuji\」がGC社から発売になっています。私達は、Fuji\こそ目的を達成できる材料ではないかと考え、Fuji\充填後の辺縁封鎖性を調べました。
(方法)
 試料としてう蝕歯を選び、通法どおり遊離エナメル、軟化象牙質を除去しますが、窩底の軟化象牙質の一層を残します。その上に3Mix-MPを置き、Fuji\で薬剤をカバーします。3Mixは、水分により変色する性質があることから、辺縁漏洩があれば窩底の3Mixの色が変わり、それが歯質を透して観察できます。
調査対象は、70症例で、そのうち、Fuji\を使用した群は57症例、コントロール群は13症例でした。
(結果)
 1〜21日において、3Mixの変色からみて漏洩が明らかと思われる症例は、Fuji\の群で9%、コントロール群で46%でした。充填面に咬合圧がかからないようにすれば、大臼歯の複雑窩洞でも漏洩を防げる事が分かった。

 

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