発表内容:
(目的)
口腔内の膿瘍を形成した急性炎症への対処は、炎症の急性期には抗生物質・抗菌剤、消炎剤を投与し、炎症の衰退期に入ると膿瘍切開などの排膿処置を行うとされている。本当に急性期にはジッと我慢するしかないのか?衰退期に痛い思いをしてまで膿瘍切開する必要があるのか?現在健康保険で適用になっている抗生物質・抗菌剤は本当に有効なのか?
(方法)
口腔内膿瘍から検出される細菌の95%は嫌気性菌である。
私達は、嫌気性菌に有効なMetronidazole製剤を選び、膿瘍を伴う急性炎症に対する有効性を健康保険適応の抗生物質・抗菌剤と比較検討した。
顎口腔領域の急性炎症のうち膿瘍を形成していたP急性発作、Per.急性発作、智歯周囲炎の51例にMetronidazoleを内服投与し、これをMN服用群とした。同様の症状の患者20名にその他の抗生物質を投与し、これをコントロール群とした。
(結論
1.MN製剤の内服効果は、通常使用さている抗菌剤に比し、優れた症状緩和の効
果があった。
2.MN製剤を内服させると、膿瘍切開などの排膿処置は必要ない。
3.急性炎症の初期、急性期においても、MN製剤は症状の緩和に十分有効である。
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