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   第5回LSTR療法学会 2006年度学術大会 2006年9月17日

テーブルクリニック
直接CRインレー(2級窩洞)作製上のトラブル回避方法
貝出泰典

 

目的:

 CRインレーを直接法で作製する利点は,施術即日に確実な薬剤密封が得られることにある。ただ,チェアーサイドでの作製になることから,間接法により作業模型上で作製するときよりも多少の困難を伴う。特に2級窩桐では,@隣在歯の存在からアンダーカットが生じやすく,A歯肉側窩縁のマージンが合わせ辛い等の問題点がある。
 そこで,今回のテーブルクリニックでは,上記@,Aの問題点回避に絞って筆者が行っている方法を紹介する。

 

方法:

1.隣接部分のアンダーカット回避には,厚さ30μmのステンレス製マトリックスバンドを用いる。

2.歯肉側窩縁のマージンとの適合性向上には,上記マトリックスバンドを僅かに歯肉溝に挿入し,これをwedjets(R)(エラステックゴム)にて圧接することにより対処する。


結果および考察

 上記のマトリックスバンドとゴムを使用することにより,筆者は以前に比して格段に速く2級窩洞での直接法によるCRインレーを作製することが可能となった。なぜなら,マトリックスバンドにより隣在歯の鼓形空隙部のアンダーカットを用意に回避でき, wedjets(R)の弾性が頬舌両側で容易にマトリックスバンドを歯肉側窩縁マージンに圧接,適合させてくれるからである。
 また,マトリックスバンドは厚さ30μmのものを使用するため,そのまま隣接関係の処理が終了する場合もある。もし後日食物陥入による違和感が存在するような場合は,各種ウェッジを用いて歯間離開を行い修正修復すれば問題は解決される。

 

 

 

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