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   第6回LSTR療法学会 2007年度学術大会 2007年9月16日
ポスター 9
『コア除去が困難なPerに対する、1治療法』
○ 畑岡 拓(CDRG 畑岡歯科医院)
     
目 的

コア付きの歯冠補綴物が装着されている歯牙に根尖病巣が生じた場合、従来法では、コアも含め歯冠補綴物を全て除去して根管治療を行う。しかし、装着して間もないケース、私費のケース、ロングスパンのブリッジの支台歯など、出来れば除去したくないケースに遭遇する場合がある。その際に採用する方法の1つに、コアを除去しないで行うNIETがある。しかしながら、術式が難しく、ちょっと間違えばパーフォレーションや根破折の原因となりうるので、安易に採用するわけにはいかない。そこで、より成功率を高める為にはどのようなケースに適用すべきかについて、1つの知見を得たので発表する。 

 

目 的: 

患者: 48才 女性
主訴: L12根尖部に自発痛(鈍痛)がある
既往歴: 約20年前に、L1 にポスト付レジンコア+HRJK、L2 にメタルコア+HRJKを装着
    その後、特に臨床症状がなく経過する
現症: 初診時(H17.9/17)
X線所見より、 L12 の根尖部にそれぞれ直径約5mmの境界明瞭な透過像を認める
治療経過: 1) H17. 9/20:L2 コアを除去しないでNIET
2) 〃 9/27:L2自発痛(?)
3) 〃 10/4:L1コアを除去しないでNIET
4)H19.6/29 : 経過観察
  
     
     
結果と考察:

 
術後約1年9ヶ月後(H19.6/29):
L1(ポスト付レジンコア装着)は、根尖透過像の消失。 
L2(メタルコア装着)は、臨床症状はないが根尖病巣は治っていない。
本症例の特徴は、コアを除去しないでNIETを行ったことである。
(レジンコア装着の方のNIETは成功した)
今回の症例から、コアを除去しないでNIETを行う際には、以下のことを考慮する。
1)成功のカギは、いかに貼薬着座を的確に形成するかである。
2)パーフォレーションしない様に注意し、歯根破折を避けるため必要以上に大きく形成しないことも重要である。
3)長いメタルコアが適合良く装着されている症例では、避けた方が良い。
4)レジンコアなどの様に、根管壁との多少のすき間があるケースを選択すべきである。
5)歯冠補綴物の歯頚部が明らかに不適合のケースは、歯肉側より漏洩し予後不良なので、適応症ではない。(コアを除去して、従来法で行う方が無難である)

 

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