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   第6回LSTR療法学会 2007年度学術大会 2007年9月16日
ポスター 2
歯髄壊死から急性発作を起こした歯牙への対応
小澤 夏生 (小澤歯科醫院)
     
目 的

LSTR3Mix-MP療法を成功させるには歯牙を「削らない」「いじらない」「さわらな
い」ことが重要である。今回歯髄壊死から急性発作を起こした症例にこの原則に従い治療し好結果を得られたので報告する。

 

症 例

 

患者
26歳女性
主訴
上顎前歯の歯肉の腫脹と痛み
現病歴
違和感が2?3ヶ月前よりあり。初診当日右上1番歯肉に瘻孔形成(初発)。
自発痛(+)咬合時痛(++)。
X線所見:根尖部にびまん性の透過像が認められ、両隣接面にCR充填あり(13年前)。歯髄処置の形跡は認められない。
診断
CR充填自体の刺激および漏洩のため細菌が歯髄腔へ侵入歯髄壊死を起こしたところに免疫機能がなんらかの理由により低下し急性化したものと考えられた。
処置
充填物の除去以外は可及的に歯質を保存。髄腔内からの滲湿液の除去(本症例は排膿等少なかった)。#70のリーマで抵抗があったところでアプローチは止め内容物を根尖外に出さない事と根尖組織の保存に努めた。第2診において自覚症状、瘻孔の消失と綿栓の色、湿り具合で無菌化が達成されたと判断しスペース根充をした。

 

 

結果と考察

 一般に齲蝕等に罹患した歯牙の治療において、いかに削らずに保存できるかが予後を大きく左右する。またLSTR3Mix-MP療法の成否においてもその軌道は同一である。同療法を根管の処置に用いるとき、除去?拡大の概念を有する既存の根管治療とは一線を画さなければない。すなわち患歯を削ることは除去・拡大ではなく3Mix-MPを着座・奏効させる「空間構築」でなけらばならない。今回その考えに基づき歯髄壊死から急性発作を起こした歯牙において削る行為の対象としたのは封鎖性を劣化させる既存のCR充填と3Mix-MPを根管へ運ぶ経路の確保のための最小限の歯質とした。また根管においては滲湿液を可及的に取り除いただけで感染も考えられる壊死した歯髄を残しても瘻孔は消失した。これは封鎖性の確保と内部からの滲湿液や血液等による薬剤の変質を防ぐ「空間構築」で得られた結果と思われた。また根管充填はいわゆるスペース根充とし組織に圧力を加えない様にした。この期間の内服薬の処方は行っていない。 3ヶ月後経過を観察できたが良好であった。

初診時

 

根充時

 

 

 

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