EMGバイオフィードバック療法は,東北大学歯学部第二補綴学教室で開発された咬合病 の治療法である.咀嚼筋に表面電極をはり,筋肉の動きを筋電図でとらえ,その信号をアンプと通して音に変換する.患者には,タッピング運動をおこなわせ,そのときの筋肉の活動量を音の大きさで把握してもらい,音をできるだけ小さくするように努力目標を設定し,タッピング運動の練習をしてもらう.
ある一定の音,つまり筋活動量になると,頸反射が起こりやすくなりる.術者は,頸反射を利用して,患者の咬合状態を誘導することが可能となり,いわゆる「噛み癖」から解放して,患者の顎位とそのときの歯の接触状態を把握できる.
健常者の咬合時接触パターンをしっているので,それと比較することによって,咬合異常の診断が可能となる.
今回は,筋電計を使用せず,咬筋と促頭筋を指で触診することで,患者は筋肉の活動量を識ることができる方法を披露する.この方法だと特別な機械・設備を必要とせずにバイオフィードバック療法を行うことができる.
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