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   第7回LSTR療法学会 2008年度学術大会 2008年9月14日
テーブルクリニック

陳旧性歯根膜穿孔に起因する根分岐部病変

 畑岡 拓
目 的

 従来の歯内療法では、陳旧性歯根膜穿孔症例を完全に治癒させることは困難であるがLSTR3Mix-MP療法の感染根管治療では可能になった。ただしその成否はLSTR3Mix-MP療法の基本的術式をクリアし、かつ3Mix-MPを貼薬するための環境整備(歯根膜に機械的刺激を与えない形での完全に密封されたスペースを確保)が確実にできているかにかかっている。今回、1臨床例を提示し LSTR3Mix-MP療法の感染根管治療の術式を再確認したいと思う。

 

方 法
患者:
41歳、 女性。
主訴:
 約1ケ月前より鈍痛があり、ここ数日強く痛む。
現症:
約1年前にFCKを装着した直後から違和感を感じていたが、そのまま放置。  
自発痛(+) 打診痛(+) 咬合痛(+)
X線写真所見:
根分岐部、根分岐部?近心根遠心側、近心根根尖部にび慢性の透過像。
診断:
慢化Perの急性発作、陳旧性歯根膜穿孔に起因する根分岐部病変
 処置:
@2007,5/10: FCK除去,髄床底にも3Mix-MPを置いてNIET
A2007,5/17:CRインレー直接法で、髄床底及び近心頬側根遠心側の穿孔部を密封
B2007,6/20:コアの印象
C2007,6/25:コアset,FCKの印象
D2007,7/25:FCKset

 

結果と考察
@
術後1年弱経過したが、症状もなく予後良好である。
A
X線写真所見では、透過像の消失、歯槽硬線の明瞭化が認められる。
B
穿孔部の閉鎖方法として、CRインレー直接法(宅重豊彦先生考案)が非常に有効であることが示唆された。
C
根分岐部病変の完全治癒率が5%である現状で、陳旧性歯根膜穿孔が原因である場合にはより高い治癒率が期待できることを再認識した。



 

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