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   第7回LSTR療法学会 2008年度学術大会 2008年9月14日
テーブルクリニック

「外傷により脱落した根未完成歯の再植症例」

寺西 信吾(寺西歯科医院)
目 的

 根未完成歯が外傷により脱落した場合、従来は再植時に歯髄処置が必要であったが本症例では再植時に3Mix-MPを塗布することでApexogenesisを促し、歯根の完成と内部歯髄の保護に成功し歯の萌出も確認されたのでここに報告する.

 

方 法
患者:
8歳男児
主訴:
右上1番完全脱臼による脱落症例
現症:
2006年10月30日某小学校で外傷により右上1番歯牙完全脱臼、脱落。  養護教諭が当該歯を自ら牛乳の入った牛乳瓶に入れて持参した。  受傷後約1時間後に当院において再植
処置:
保存液で洗浄後、脱落歯の根尖部に3Mix-MPを塗布し無麻酔下で再植した。  その際、歯根ならびに歯の脱落部位である再植層、窩の部分に触らないように  留意した。  固定は、ブラケットとワイヤを使用した。萌出途上の歯であることから生理的動揺を維持しながら弱い固定を持続するためにTwist wireを用いて固定を行った
経過:
 2007年2月、約6カ月で徐々に根尖が形成されてきた。  2007年5月、根尖はほぼ完成その後数ヶ月で萌出は停止した。  電気歯髄診断(EPT)は3.5であった。
     
結果と考察
 本症例では、歯根の成長・完成がみられ内部歯髄が保護されていた。
 これは従来の術式では考えにくいことである。
 生体の修復作用を生かし最大限に活用するために、3Mix-MPによる効果について考えていくことが必要である。
 内科的歯科療法LSTR3Mix-MP療法にはSave Pulp療法、NIETなどの種々の療法があるが、本症例の術式においても、歯質、歯周組織の無菌化、薬剤を浸透させるメカニズムを応用して、3Mix-MP法の理念・精神(スピリット)が受け継がれていることに気づいていただけたら幸いである。
 脱臼時には、内部歯髄は完全に死滅している場合と生活歯髄のまま生きている場合が考えられる。
 この二者では生体の反応が異なってくるであろうし、Apexification、Apexogenesis、 に至る場合、歯周組織、マクロファージの早期抑制、プロスタグランジン、炎症 のコントロールなど、種々の観点から考える必要がある。  
  諸相について考察したい。  

 

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