昨年のLSTR療法学会で、星野教授が、私の発表症例の3Mix−MP法感染根管治療後のX−Pの根尖部の透過・不透過像を「面影」という表現で説明した。
この「面影」像に対して、学会参加者の一人が「もし、この患者が、このX−Pの状態の時に、 自分の医院を受診したら、間違いなくこの歯の根管治療を行う。」という発言があった。
3Mix−MP法の根管充填は、アンダー根充(宅重は、スペース根充と命名)であり、また、3Mix−MP法Save-Pulpでは、軟化象牙質であっても極力保存する。よって、従来法の治療概念で診断すると、3Mix−MP法で治療後のX−Pは、“手抜き治療”と診断される可能性が高い。
このような臨床症状は、認めないが、たとえば、「X−Pで根尖透過像(面影像も含む)を認める症例に対して、歯科医側がどのような診断をするのか?」また、歯科医側がその症例に対して、「治療が必要である。」と診断し、患者に説明した場合、患者側は、その治療を受け入れるのか?
今回、「臨床的に症状は認めないが、X−P等が正常像とは、異なるような症例」に対して歯科医側と患者側(治療の必要が有りと歯科医側から説明を受けた場合)がどのように判断をするかという内容でアンケートを取り、その結果から、「3Mix−MP法で治療後の対応」および「臨床的に症状は認めないが、X−P等が正常像とは、異なるような症例をどのように取り扱うべきか」を考察した。
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