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   第7回LSTR療法学会 2008年度学術大会 2008年9月14日
テーブルクリニック

実践3Mix-MP法 ・・・ 失敗・リカバー・成功・試み

津野 敬一朗
目 的

3Mix-MP法を治療に取り入れ、本会第1回からの参加であるので7年以上になる。
 昨今は3Mix○○法というような模造法も出てきているようであるが、本質を外さないで施術することで成功率は上がると思われる。
 薬剤の本質を考えない思いつきの変法は危険であり、患者へ迷惑をかけることとなるであろう。
 当医院で基本に沿って最近行った3Mix-MP法の中で、症例の違う5例を取り上げ、失敗例・リカバーした成功例・試みとして報告する。

 

方 法

症例@NIET法で失敗後リカバーした例
対象は自分(演者)の右上第1大臼歯。3Mix-MP法経験のないA歯科医師に口頭で術式を説明し、当人も文献的知識はあるということからNIET法を行った。
多少の緩解はあるものの「3Mix-MPはこんなもんじゃない」と思い、再度3Mix-MP法を自己流で行っている別のB歯科医師に、十分な図説をし、NIET法を説明・確認して行った。

症例A根尖に病変が出来ていた小臼歯の改善成功例
他の歯科医院で抜髄・ハイブリッドを装着した左下第1小臼歯。近心から根尖にかけて透過像が見られ、腫脹・排膿していた。(オーバー根充である)
本来であればNIET法にて改善を試みたいところであるが、コアを建てることを考慮し、また病変を完全除去するため抜歯・病変除去・オーバー根充カットを行い、感染予防から3Mix-MP+Fuji\GP、DCコア(クラレイ)で経過を観察した。

症例Bインプラントの感染予防に用いた失敗例・・・・後に再度OP改善

高校ラグビー部の先輩が高校時試合で破折したため当時(32年前)ブリッジを作っていたが、痛みを訴えたため撤去、本人はインプラントを希望してきた。左上側切歯はPER状態で、発赤・腫脹・排膿していた。
インプラント周囲に感染予防のため3Mix-MPを貼薬することを試みた。

症例CD他医院でパーフォレーションした後の経過

 

結果と考察

症例@
NIET法は貼薬着座をしっかりと設置し、根管口から2mm下、直径1.5mmという基本必須条件に近い方法を取れば効果は出やすいということを確認した。
本で学習しただけのA歯科医師は、こちらの要求を理解できず結果は芳しくなかった。
我流でも実際に経験のあるB歯科医師は、説明を理解はしてくれたが、3Mix-MP調合粘調度やセメントの固さなど不満は残った。
本を読むだけでなく、やはり総会や研修会などで実際に目にしてキャリアを積むことの重要さは再度認識させられた。

症例A
2週間ほど3Mix-MP+Fuji\GPで放置しその後に抜歯・歯根端切除・再植。再度3Mix-MP+Fuji\GPで経過観察。疼痛も腫脹もまったく消失した。
現在DCコアを立ててTEK。問題なく経過良好である。

症例B

インプラントを行い、承諾を得て本体遠心側の骨欠損部に3Mix-MPを置いて縫合したが、まったく効果は出ずインプラント自体もインテグレーションせず撤去となった。
後日再度OPを行ったが、インプラント体の骨欠損部に3Mix-MPを置いて、GBR吸収膜で覆い縫合した。
効果も方法も発表されていない無謀な行為であったが、投稿時点では経過観察中。

症例CD

他医院でパーフォレーションした歯牙に3Mix-MPを用いて処置をし、現在まで経過良好。

 

 

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