【結果】
3Mix-MP法処置患者2名では、破折した歯冠を洗浄後、通法に従って仮封した。その後、歯の接着・再生が確認され、歯牙の動揺、痛みは認められなかった。
従来法処置患者3名は休診日による代診、又は患者による他院での治療、あるいは治療せず放置後、いずれも当院での治療継続患者である。歯牙脱離症例では、感染像はみられなかったが、根尖の形成はみられず、1年経過しても歯牙の動揺がみられる。一部破損、破折患者1名では、3ヵ月経過後も歯牙の動揺が残存した。残りの破折例では痛みはなく、一応の接着がみられているが、再生までには至っていない。
【考察】
これらのことから、3Mix-MP法と従来法ともに歯牙の接着、再植後に炎症反応は認められず、両法に差はみられなかった。しかしながら、その後の治癒、再生の経過では、従来法は周囲組織の再生遅延が明らかに認められた。3Mix-MP法では2例とも歯牙の接着、再生がみられた。また、前回報告の脱離歯牙では、根尖の形成が認められ、歯根が完全に再生された。従って、3Mix-MPは3種の抗生剤(3Mix)による感染症を防ぐ効果に加えて、組織再生への2種の医薬品添加物(MP)との配合効果のあることが示唆された。
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