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   第8回LSTR療法学会 2009年度学術大会 2009年9月20日

外傷により脱離、破折した歯牙の3Mix-MP法による接着・再生症例の従来法との比較検討

寺西信吾(寺西歯科医院)
目的

 外傷により脱落した根未完成歯を3Mix-MP法処置にて再植・再生した症例を 前回報告した。
 今回、外傷により破折した歯牙の3Mix-MP法処置での接着・再生症例並びに脱離及び破折歯牙の従来法による処置での症例の治癒経過を比較検討した。

 

方法

3Mix-MP法による当院での処置患者
9歳女児:1| 右上1番、小学校で友達と接触による歯冠破折
9歳男児:|1 左上1番、小学校で友達と接触による歯冠破折

従来法(放置、抗生剤使用含む)による他院での処置患者
18歳男児:|1 左上1番、高校で試合相手との接触による歯牙完全脱臼脱離
13歳男児:|1 左上1番、サッカーで試合相手の頭部との接触歯冠一部破折
7歳男児:|1 左上1番、ボールの打撲による歯冠一部破折

 

結果と考察

【結果】
3Mix-MP法処置患者2名では、破折した歯冠を洗浄後、通法に従って仮封した。その後、歯の接着・再生が確認され、歯牙の動揺、痛みは認められなかった。
従来法処置患者3名は休診日による代診、又は患者による他院での治療、あるいは治療せず放置後、いずれも当院での治療継続患者である。歯牙脱離症例では、感染像はみられなかったが、根尖の形成はみられず、1年経過しても歯牙の動揺がみられる。一部破損、破折患者1名では、3ヵ月経過後も歯牙の動揺が残存した。残りの破折例では痛みはなく、一応の接着がみられているが、再生までには至っていない。

【考察】
 これらのことから、3Mix-MP法と従来法ともに歯牙の接着、再植後に炎症反応は認められず、両法に差はみられなかった。しかしながら、その後の治癒、再生の経過では、従来法は周囲組織の再生遅延が明らかに認められた。3Mix-MP法では2例とも歯牙の接着、再生がみられた。また、前回報告の脱離歯牙では、根尖の形成が認められ、歯根が完全に再生された。従って、3Mix-MPは3種の抗生剤(3Mix)による感染症を防ぐ効果に加えて、組織再生への2種の医薬品添加物(MP)との配合効果のあることが示唆された。

 

 

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