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   第9回LSTR療法学会 2010年度学術大会 2010年9月19日

●口頭発表 &テーブルクリニック●

成人の有髄歯をドナーとした自家移植歯に歯髄治癒は起こり得るか

五十嵐 祐
(山形県新庄市)

目 的:

 歯根が完成した歯をドナーとして抜歯する場合に、当院では、歯に持続的な矯正力をかけた後 に脱臼させることがおおい。これは厳密なジグリングフォースではないが、経験的に、歯根膜 を根面から剥離させることなく抜歯できるメリットがある。歯根膜繊維にゆるみが生じるため だろう。
 この持続的な矯正力が、移植直後の根尖部の歯髄血流やセメント質造成にも影響をあたえるな らば、もしかしたら移植後に歯髄治癒という好条件をもたらすのではないかと考え、臨床調査 を行いました。

 

方 法:

 ドナー歯の対象は成人3名の大臼歯で、うちわけは、下顎智歯(#38)と下顎大臼歯 (#47)と上顎智歯(#28)であった。 対照の歯として、持続的な矯正力をかけられない完全埋伏歯(#48)の移植後歯髄について も観察した。
  移植歯は一定期間固定されたのちに固定解除し、動揺度の軽減を確認してから、歯髄治癒か 歯髄壊死かを臨床症状やレントゲン画像を追って経過観察した。

 

結果と考察:

 壊死にいたる過程では自覚症状のある場合も、そうでない場合もあったが、対象の3歯 すべてが歯髄壊死となっていた。
  弱い持続的な矯正力がドナーの歯根膜に良い状況をあたえたとしても、歯髄には期待した効果 が及ばなかった。すなわち、脱臼という絶望的な血流ストップのあとに歯髄血流が回復するこ とはなく、セメント質造成による根尖部の閉鎖も間に合わない。

  ただし、歯髄壊死にたいしてNIET法を適応することで、きわめて迅速に自家歯牙移植の完結を みることができる。 またCRジャケットクラウンの大臼歯部への適応も可能といえそうだ。これはメタルフリーの 点で期待できる。

 

 

 

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