結果と考察:
こうすることで、術式がより簡素化され、時間も短縮される。従って、口腔外根管充填時に受ける歯根膜細胞の長時間不利な環境にさらされるダメージも軽減され、また生着後の口腔内根管充填も不要である。
移植自体のメリットとして
@遊離端症例のP.Dが回避できる。
A中間歯欠損症例の両隣在歯切削のリスクが回避できる。
B経済的負担の大きいインプラントと比較し、安価(3割負担で約1万円前後)である。
C部分矯正治療(整直・挺出等の歯の移動)と違い、治療は短期間で済み、後戻りもない。
Dドナーを抜歯部位への同時移植埋入なら、侵襲も比較的少ない。
E廃用歯、埋伏歯の有効活用につながる。 F歯根膜細胞と線維性結合している。
などが挙げられる。
移植のデメリットとしては、以下のことが挙げられる。
@抜歯窩のない顎堤に新たなレシピエントホールを形成する移植では、単独植立インプラント より侵襲は大きくなる。
Aインプラントに不必要な固定が移植にには必要である。
今、時代は“インプラント流行り”に感じられるが、不況の中インプラント選択の前に、廃用歯の自家移植の道はないものか検討すべきであるとともに、智歯の抜歯に臨んでは、いづ
れ訪れるかもしれない移植などの有効利用のために、安易な抜歯は避けるべきである。 抜かずに置いておけるなら、それは、口腔内という優れた“歯牙バンク”に登録、保存していることになるのである。
3Mix-MP応用のより簡素化された歯の自家移植が普及されれば幸いである。
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