考察
今回の再発の原因は、髄床底部の亀裂からの感染と思われる。(根尖部からの再感染ではない。)
初診時に認められた根尖部の開放された状態も、1回目の治療で閉鎖されたことは、ポイント試適のX線写真の比較で確認できると思う。
この結果から、根管・根尖部は、3Mix−MP法にとって、容易に無菌化しやすい部位である。
すなわち、生体の治癒機転を利用でき、閉鎖できる部位であるからである。
それに比較し、歯冠部の封鎖(密封)は、生体の治癒機転には頼ることができず、人工的修復物によることのみになる。
よって、最終歯冠修復を確実に行わないと、治療困難な症例を3Mix−MP法で治癒方向に導くことができても、最終的に再発することになる。
今回の再発が、良い反省の材料となった。
また、欠損の小さい症例における最終修復物は、可能な限り、より緊密に、より素早く封鎖できるCRインレー直接法が理想であることを、今更ながら、確証できた。
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